なぜ獣医師になったのか？・・・
よく動物が好きだから獣医師になったのかと質問されます。
それには、いつも「動物が好きだけでは できないよ」と答えています。
しかし、本心は好き嫌いではなく「診察台の上に乗せられている動物を、上から診るので はなく、同一目線上でいつも診ることができ、その心を 読む努力ができるから、幸せな仕事なんだよ」と伝えています。
飼い主と共に真剣に診察台を見つめながら、飼い主が疑心暗鬼な状態から徐々に変化し、自分と同じ目線で治療に参加してくれた時は、至福の喜びであります。
さて、今まで何代も同じ事業を、継続してきた老舗的感覚は、私自身は意識したことはありません。ただ、獣医師として継続するために大事なこと、重要視すべきことは何かと聞かれたら、「ひたすら真面目に、愚直に苦しんでいる小さな命とその家族と向き合い、診療することを、常日頃 から実践すること」と答えています。
長い時間をかけて、真心を込めた診察を行ってきたからこそ、飼い主や地域社会 との間に信頼関係が築かれ、今があることを思う時、代々継続してきた獣医業を次の世代へ引き継ぐことの大切さを感じております。
