減感作療法 アレルミューンで治療したワンちゃんたちの報告です!
現在 当院では食事アレルゲンを特定し、除外した食事を1ヶ月以上試したにもの関わらず、ステロイドや抗生剤の投与で、コントロールするしかない、犬アトピー性皮膚炎のワンちゃんを対象に、アレルミューンを投与している5例がおります。
そのワンちゃん達の中のシーズーのユウちゃんが、6回の減感作療法(免疫療法)が終了いたしましたので、
その治療効果をご報告いたします。
ユウちゃんはシーズー 8才 避妊メスの女の子です。2才頃より耳や首の周りの、強いかゆいで来院されました。
皮膚のニキビダニやノミ等の外部寄生虫は、検出されませんでした。抗生剤やシャンプーで、
一時的にやや改善するものの、ステロイドの外用薬や内用薬を併用しないと、強いかゆみを止めることができませんでした。
皮膚病変も全身性に広がり、また二次感染でマラセチアというカビの感染にも、悩まされ、
抗真菌剤含有のシャンプーで対応しておりました。
アレルギー検査として、アレルゲン特異的IgE検査とリンパ球反応検査を実施したところ
環境アレルゲンでは、コナヒョウダニ アスペルギルス ペニシリウムが反応
主要食物アレルゲンは、小麦・大豆に強い反応 また牛肉・鶏肉・じゃかいも・米・トウモロコシにも反応がみられました。
治療法として、Hill’s Z/Dウルトラのみの食事、ステロイド 抗生剤 マラセブシャンプー(抗真菌剤)
を主体とした治療を約1年ほど継続いたしましたが、ステロイドの減量はできたものの皮膚の発赤
かゆみの改善は、認められませんでした。
今回 ユウちゃんのチリダニグループ2アレルゲンIgE抗体を測定したところ、検査結果として陽性反応があり、
減感作療法(免疫療法)の同意を得ました。
アレルミューン投与前での注意事項して、全身状態の状態を把握するため一般身体検査・体温等を調べ、注射いたします。
計6回 注射の濃度は、約2倍ずつ増えていきます。注射による痛みは、1例のみ柴犬の子でみられましたが、
他の子では全くの無痛でした。
ユウちゃんは、減感作療法中は、ステロイド剤は一切使用せず、抗ヒスタミン剤としてタベジールのみ投薬いたしました。
3回目の注射後に明らかな、かゆみの減少と皮膚の発赤の軽減がみられました。
その後、6回の注射後の1週間経過いたしましたが、皮膚の状態、特にかゆみはみらせず良好だと考えられます。
今後 減感作療法(免疫療法)の効果の持続を、観察して行く予定です。
ユウちゃん良かったね!!!
治療前
治療後
個人的には、アレルミューンの治療判定には、治療前後の血清IgG 好酸球数の測定は必要と思いました。