SDMA 犬 猫 腎臓の新しいバイオマーカー 早期診断が可能となりました!
SDMA( Symmetric DiMethyArgineine) は、犬と猫の腎機能のバイオマーカーで、従来のクレアチンよりも早期に上昇します。
特に高齢で痩せた犬猫での特異的に、糸球体濾過率を反映する画期的な検査方法です。
採血で診断できるので、動物に負担がありません。
従来の検査では BUN Crは正常値ならまず検査上ではほぼ問題ないもとと考えられていました。
しかしながら SDMAが上昇した際は、腎臓病を示唆する可能性のあるヒストリー 身体検査 尿検査を評価ができます。
甲状腺機能亢進症による甲状腺中毒によって、心機能障害が見られた症例をご紹介いたします。
日本猫 15歳 避妊メス
甲状腺ホルモンの上昇(T4 8.0 FT4 5.9)
心機能ホルモンの上昇(NT-proBNP 1000以上)のため、
抗甲状腺ホルモン剤(メルカゾール)強心剤(ピモベンダン)血管拡張薬(セミントラ)によって、維持している猫ちゃんです。
腎機能は、 BUN 26.2(正常値17〜40)Cr 0.9(正常値0.6〜2.0)Ca 8.7(正常値8.2〜11.9) P3.8(正常値2.6〜6.0)の状態ですが、
臨床症状で軽度 脱水があるため自宅にて皮下点滴を実施しておりました。
SDMAを測定する機会があったため測定したところ、14(正常値0〜14)と正常値の上限を示しました。
甲状腺機能亢進症の症例は、様々な多臓器不全を引き起こすことが多く 特にこの症例では心機能障害が顕著であるため、
腎機能の管理が重要と考えております。
今後はSDMAをモニターし、最善の治療をしていきたいと思います。